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「最近は大規模案件にチャレンジしにくい。今ごろは、官公庁の予算編成をにらんで、入札などに向けた情報収集に駆け回っているはずなのに、勝手が違う」
情報収集の段階で手を引いたり、官公庁から入札への参加を内々に打診されても案件によってはやんわりと断ったり、消極的な姿勢を取らざるを得なくなっている。
こうした異変は、なぜ起きたのか。この幹部は「あの件が尾を引いているんです」と明かす。
あの件とは、システム業界でささやかれている「特許庁事件」のことだ。かいつまんで説明すると、特許審査などの基幹システムの刷新に失敗したことを理由に、システム開発を担当した東芝ソリューション、アクセンチュアの2社が合計56億円もの“慰謝料”を払ったという話だ。その56億円という金額は、特許庁に求められるがままに決まったとささやかれている。
そもそも、このシステムは、特許と実用新案、意匠、商標の知的財産権について、出願受け付けや審査、登録にかかわる基本業務のためにつくられる予定だった。2006年に入札を実施し、東芝ソリューションとアクセンチュアが落札したが、システム開発が難航をきわめる。結局、特許庁は入札から6年後の2012年に中止を決めた。
特許庁にとって予定通りに開発できず、システム刷新ができなかったことは大きな痛手だった。しかし、問題は、そこで終わらない。その時点で、特許庁が2社に開発費用として総額約55億円を支払ってしまっていたからだ。
システム開発の失敗を巡って発注元と受注側が紛争するのは珍しくない。法廷での係争でも、それ以外の和解協議でも、その多くは双方の立場や意見の隔たりを埋め、示談金などを決めていくことが一般的だが、2社が特許庁に支払った金額がIT業界内で話題を呼んだ。最終的に2社が支払ったのは、合計56億円。特許庁が支払った55億円、さらには利息を上乗せしたように思える金額だ。システム開発の訴訟に詳しい弁護士によると、「訴訟も経ずに受注側のIT企業が受け取った開発費を全額返すのは、極めて異例」という。
ウヒャア.特許庁の基幹システム開発失敗案件,結局全額+アルファの56億円を元請けが特許庁に払ったのか!あり得なさすぎる.発注先が責任を取らないシステム開発なんて誰も請けるはずがない.
(Source: nikkei.com)